毛皮売りの男


    開業して18年も経つと、まあ、色々面白いことがあります。
    110番通報するようなことも1回や2回ではありません。ネタだけは豊富です。

     寒いなー。久々に、毛皮の美女を見ました。そうだ、毛皮といえば、ありました。開業して5年くらいした頃です。

     昼休みに、院の階段を上ってきた体格の良い若い男性。急患かしら、と思うと、どうも様子が違います。彼は、突然こんなことを言い出しました。

     「あの、突然なんですけど、ものすごくお買い得な〇〇の毛皮があるんだけど、買ってもらえませんか。」
    (何の毛皮か今となっては思い出せない。何だったのだろう)
     は~?何を言ってんのお??、
    目を真ん丸くしている私の様子にひるむこともなく、男は続けます。

     「僕は、船乗りなんです。北海道の沖で、ソ連の船と物々交換したんですよ。福岡で毛皮屋探して買ってもらう時間なくて、ここで買ってもらうと助かるんだけど。7万でどうですか?たぶん、後日毛皮屋に持っていってください、倍にはなりますよ。ちょい持ってきます」

     彼は、駐車場に車を留めているのか、白い毛皮と焦げ茶っぽい毛皮を持ってきた。動物がペッシャンコになったような形に、きれいになめしてある。北国の動物らしく、かなり毛が密集している。素人の私が見ても、大きくて立派なものだ。

     私は、その瞬間、我が家の、安っぽい食卓の下に、この毛皮が敷かれている図を想像して、プッと噴き出してしまった。まるで、グリコのおまけを金のお盆に載せたみたいな座りの悪さ。
     次に、私がその毛皮で作ったコートをまとっている図が出てきた。またまたはげしく吹いてしまった。たるのような毛のかたまりの上に、でかい頭がのっていた。

     「これって密輸です?」
    とおそるおそる聞いてみた。彼はまったく平然としている。次の瞬間、西日本新聞の一面に、毛皮密輸の手助けをした歯科医捕まる。という記事が頭に浮かんだ。私が、うなだれて毛皮といっしょに記念撮影されている。

     7万円が14万円になるのか~・・・と気持ちが一瞬ゆれた。
    しかし、次の瞬間、希少動物が絶滅するのも、こんな感じなのか。けしからん!とえらそうに憤慨し、妄想が終わった。

     男には申し訳ないけど、密輸の片棒担ぎでしょっ引かれるのもいやだし、毛皮に見合った食卓もないし、毛皮商にコネもないので、丁重にお断りしました。

     未だに毛皮を見ると、あの見事な毛皮を思い出します。結局誰のものになっているのだろうか・・・
    あ、もし、毛皮売りの彼、ブログ見てたらその後を教えてくださいね。 んな訳ないか・・

    ☆面白ブログランキング。投票クリックよろしく☆
    人気ブログランキングへ

    うらかわ歯科のホームページ
    福岡市早良区の矯正歯科



    よかったらシェアしてね!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次