日曜日に、あれ、昨日かおととい、カレー専門店でナンとカレーを食べたな~と思って、よ~く考えたら、先週の日曜日でした。うそでしょ!それほど一週間が早いです。それを積み重ねて、ついに10月ですよ~! まだ暑い日もあるけれど、すがすがしいさわやかな空気感がいいですね・・・
オフの日に、ぼ~っと窓から外を眺めていたら、緑がしっとりと美しく、心がなごみます。義母が庭でやってる小さな家庭菜園に植えられた、野菜のつるが畝の外まで伸びていて、それもまたをかし!
この時期のこんなシチュエーションになると、決まって私は思い出すことがあります。空気の乾いた感じ、ちょっと忙しさから解放されたささやかな空間と時間の感じ、あの時のあの空間にとても似ているからでしょう。
それは、私がまだ若かったころ、大学病院からの出向で、天草の小さな村の診療所に4か月ほど赴任した時のことです。町営の小さな診療所で働くために、診療所にくっついた官舎に寝泊まりして、毎日村の患者さんの治療にあたってました。その村は、中心である役場のまわりに、農協のスーパーが一つあるだけの寒村です。ほがらかな人も、気難しい人も、それなりにいるのは、別に町とかわらないですが、やはりどっかのんびりした空気に包まれていました。
さて、日曜日になると、にぎわっていた診療所も、ぱたんと静かになります。隣の官舎で私は、別段することもなく、(ネットなんてないですから・・・携帯さえないし・・・)診療室横の書斎の掃き出し窓を開け放して、たたずんでいると、窓の大きさに切り取った庭の一角がなんとも美しいではありませんか。黄花コスモスが風にゆれて、黄金色の日差しがきらきらきらきら。鳥が時々羽音を立てる。しかも、窓から入ってくる風は、湿度がなく心地よい肌触り。日曜たんびに、熊本市内に出るのもしんどいので、一人さびしく官舎で過ごしている私は、なんか、ちょっと不思議なスポットにはまりこんだような気持ちになりました。どこともつながっていない、心地よくて不思議な感覚です。
秋のさわやかな風と、箱庭のような小さな景色と、静まり切った空間に、仕事を忘れてふとたたずむと、いつもいつも、あの天草の診療所での自分がよみがえります。すでに、見かけはずいぶんかわっているでしょうに、おんなじ感覚なのでくすっと笑ってしまいます。
あれから、何十年も経って、一度行きたいと思いつつ行けずじまい。天草は遠くて、心の景色になっています。
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