歯科医に限らず、開業医って、診療の他に、経営者というお仕事をしなくてはなりません。これが、なかなかやっかいもので、開業してみると、どうして、大学で何にも教えてくれなんだ~~~!と叫びたくなるくらい、診療以外は知らないことだらけ・・・簿記3級くらいは、カリキュラムに入れてほしかったです。
でもさすがに、開業して17年も経つと、いっぱしの玄人になっていき、ちょっとした税金のことを始め、あやしい業者さんにひっかからない方法、とか、スタッフの面接で良い方を見分ける野生のカン、など、様々な下世話な技と知識が身に付きます。

それで、たまに、大手企業のOLの友人と話したりすると、「へ~、よく知ってるね~」などと驚かれる半面、「苦労してるんだね~」 と哀悼をこめたまなざしを向けられたりします。
診療時間が、夕方6時半までとなっているわがオフィスも、診療による残業が平均1時間ちょっと。それからが、開業医としての雑用時間が1~2時間。たまにエンドレス。
その日の日計表をまとめたり、毎日渦高くつまれたDMをいちいち開封して目を通し、しないといけない雑用をこなします。給料日近くになると、スタッフの残業を計算して、税理士さんに渡す資料を作成し、その合間をぬって、治療の計画を立てたりもします。そして、また合間をぬって、自院のホームページを更新してみたり。業者さんに支払いしたり、振込したり。スタッフの面接したり。社労士さんにお願いするまでは、失業保険の手づづきしてあげたりなんてことも、etc・・
そして、月が変わると、夜遅くまでかかって、診療報酬のいわゆる保険機構への請求書、いわゆるレセプト作り・・・・
そんなことにまぎれて、うっかり、診療の技術革新も遅れがちになったりしないように、休み返上で勉強会に参加したりもします。
と前出の大手OLの友人いわく、人雇ったら?
なるほど、そう言いたいのもわかります。でも、日本の保険医療は、非常に安上がりにできているので、ドクターがあれもこれもこなして、やっと大赤字をまぬかれる、というシステムになっています。一人でやると、膨大だけど、選任スタッフを雇うと赤字になるし、そこまでの量ではない・・・という微妙なところです。それに、どうしても人に頼めない仕事もあります。勤務医だって、事務仕事はいっぱいです。
それで、いつも思うのは、大きな会社って、直接お金を稼がない部門、たとえば、庶務とか経理とか、人事、とか・・・そういう部門が独立してちゃんとあって、それぞれにお給料が出せる、ってすごいと思います。
そしてそれを言うなら、開業医は、時に、前線部隊であり、ある時は人事課担当であり、ある時は広報、経理・・・・なんでもやる、まるで、古田選手みたいな感じだな、と思います。
今日も打って投げて、取って、走って、監督して・・・、あーよく働いた。勤労よ。労働者の汗は尊い!。
こういう仕事につくまで、お医者さんって、患者さんのことだけ一生懸命やっていればいいのかと思っていました。 知らないとはおそろしいことだと思います。
でも、おかげで、もし失業しても、結構色々できるさち先生なのであった。
うらかわ歯科のホームページ
シルバークレイの贈り物、大切な人へのプレゼントブランチアンドリーフ
福岡市早良区の矯正歯科
コメント