父を送る

さち先生ブログ

 調子の悪かった父を、とうとう天の御国に送りました。

 あっという間の急変だったので、あわただしく見送ることになりました。ただ、3年前にガンを発病して、家族は少しずつ覚悟してきていたので、8月半ばまで、ほとんど元気に今までどおりに家で生活して、2週間ほど寝ついて逝ってしまったのは、幸福な最後だったのではと思っています。

 77歳の最後でした。

 こうやって親を送ってみると、悲しみだけではなく、すがすがしさがあるのは、父の生き様によるのか、父の年齢によるのか、単に私の年齢によるのか、よくわかりませんが、少なくとも、若いときに、若い父を送るのとは、少し違う気がしています。

 たぶん、向こうの世界に送る私も、すでに、向こう側に少し近づいている人間という意識があるからではないかと思いました。もっと若いときなら、完全にこちらの世界にいるのが当たり前の自分が、かかわりのない向こうの世界に行く父を送るという形になっていたに違いありません。それは、どうしようもなく、遠い世界で、私は限りなく父から離れてしまう絶望に悲嘆したと思います。

 幸い、若い日に、肉親を失う経験をしていない私は、ある程度年老いた父を、自分の子供たちとともに送るという、平凡な順番がもたらす平安を少しずつ味わっています。

 遺体の周りで、小さな子供たちが、がやがやして、父の死を、静かすぎる沈黙から救い出す場面を見て、命のリレーを感じました。人はこうやって太古から命をつないできたのだな~・・・と感じました。

 葬儀を終えて、父の家に戻ると、どこからか子供たちがもらってきた鈴虫が、美しい音色を奏でているのが、とても印象的でした。

 風や、草木も夜のとばりの中で、ささやいているようでもありました。

 これからの年齢は、今まで経験したことのないことをずっと経験していくのだろうな・・・と思いました。年を重ねるとはそういうことなのでしょう。

 父、そして家族がお世話になった皆様、父に成り代わりお礼申し上げます。

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