あー!スピーカー


     さち先生が小学生の頃、我が家に大きなステレオがやってきました。あの頃、居間にはピアノとステレオというのが、ちょっとおしゃれなアイテムでしたねー。
     ステレオなんて言葉は、今も使われているのかなー・・・。もちろん、レコードです。カセットテープレコーダーがセットになっていて、レコードをテープに落として、ラジカセで聴きながら、試験勉強をしていました。

     ステレオのスピーカーは、そうだねー。ちょっとしたダンボール以上の面積をとっていました。だから居間は、ステレオの上がサイドボードみたいになって、物置と化していました。
    ステレオは父が、10万円以上はたいて我が家の一員にした自慢の品でした。その頃の10万円は、今より価値が高かったと思います。

     さて、さち先生はスピーカーを買いました。ネット配信される様々な音のサービスを、もっと美しく聴きたいなーと思ったからです。

     向かった先はドンキホーテ。
     スピーカー売り場で低音を響かせる小さなスピーカーが目に留まりました。よしこれを買おう!
     値段を見て驚きます。なんと3000円さえしません。

     あーなんと時代は変ったことでしょう。そのスピーカーを持ち帰り、早速パソコンにつないだら、ひえー・・・これは、あの父がどでかいステレオを買ってきた時の、あの音さえ、しのぐような音響。(たぶん)

     さち先生、うれしいというよりも、なんだか切なくなりました。

     きっとあのステレオを開発したソニーの(いやパイオニアというメーカーか?)創始者盛田さんだって、あの時代のスティーブジョブズ氏に相当するだろうに、今は、そんなの当たり前、ずーっと前からあった代物のように誰も、何にも思ってない。
     こんなすごいものが、こんな値段で当たり前のように売られて、どこかに泣いている人がいるんじゃないかしら・・・

     そのスピーカーをつなげてしょっぱな、エリッククラプトンのレーラにアクセスして、ちょっと懺悔(ざんげ)しながら、美しい音色がもたらす幸福に身を沈めるのでした。・・・
     
     多くの、スティーブジョブズ氏よ。どうもありがとう。


























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